『九つの、物語』を読んだすぐ後…なぜか僕は大きな鍋を火にかけた。

九つの、物語

九つの、物語


著者:橋本紡
出版社:集英社文庫
出版年月日:2011/02/18
ページ数:376ページ
ISBN-10:4087466655
『九つの、物語』レビュー
7 管理人の総合評価
読みやすさ
為になる
何度も読みたい
面白さ

九つの、物語』を読んで思った。なんとバラエティーに富んだ作品だろう、と。

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友達のおすすめ文庫にあがっていたので…

橋本紡の『九つの、物語』を読んでみた。このタイトルをみたときに、J.D.サリンジャーのナイン・ストーリーズが思い浮かんだが、この本を最後まで読んでみると、なるほど、このタイトルはうまいことつけたなと思った。

『九つの、物語』は、いわゆるよみがえり物だ。大学生になった女の子の元に、水死で死んだはずのお兄ちゃんが現れる。幽霊として自覚していて、ある事を果たしていないので成仏できないのだという。

このお兄ちゃんが本当にイカしたやつで、料理はうまいわ、頭はいいわ、顔はかっこいいわ、女の子にモテるわと、死んでしまったのが本当にもったいない存在。この人と妹を中心に物語が進んでいくのだが、読者の心をつかむのはこのお兄ちゃんの格言だろう。

いちいち、言う事がかっこいいのだ。

恋愛哲学。

それがもう、心を刺激する。こんな兄がいたら自分の人生はどうなっていただろうと考えてしまうぐらい彼の発言の破壊力はでかい。

それに、料理の話もこだわりを持っているらしく、このお兄ちゃんが語ってくれるレシピは実際に作ってみたくなってしまうほどだ。そして実際に僕は作ってしまった。ニンニクとトマトのパスタ。そのレシピはこの文庫の最後におまけとしてついてくる。そんな遊び心もちょっと嬉しい。

恋愛、料理、と来て、文学。

この小説は、そのまま小説案内書にもなっている。タイトルの通り、九つの小説が紹介されており、太宰や井伏、サリンジャーなどの作家の作品の引用などを通して、主人公の女の子が物事を考える。

この小説を読むと、どうしても紹介された九つの小説までも読んでみたくなる。

そして、僕は橋本紡という小説家の作品を初めて読んだのだけれど、この人が書く文章は非常に読みやすく、それでいて繊細な気がした。優しい気がした。まぁ、最初の20ページぐらいは、やたらと「お兄ちゃん、お兄ちゃん」と出てくるので、なんだブラコンの話か。なんてかなり期待はしていなかったのだけれど、その期待を裏切って良い作品でした。本当にバラエティーに富んでいて読んでいて飽きない作品です。

恋愛に疲れてしまった方。読書にふけりたいのだけれど、読むことに慣れていないせいで先へ進めない方。おいしい料理の本が読みたい方。そんなあなたにはぜひこの作品を読んでもらいたいと思いました。

大変面白かったです。

ではでは、そんな感じでした。

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