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『光の帝国―常野物語』と聞いてあなたが最初に思い浮かぶモノは何?

光の帝国―常野物語

著者:恩田陸
出版社:集英社
出版年月日:2000/09/25
ページ数:246
ISBN-10:4087472426

『光の帝国―常野物語』という文庫末にある解説のタイトルは「もう人間でいたくないあなたに」というものであった。実は読書の時間の中でも、作品を読み終えた後にたどり着く解説が存外好きな僕なのだが、この本を読み始める前に我慢できずに解説部分をチラ見してしまった。そして出てきたのが久美沙織の「もう人間でいたくないあなたに」だった。ドキリと胸がなる。

うぉおおっ!!そんな事を解説に書かせる今回の恩田陸の作品はどんなのだ!?僕の期待値はグーンと跳ね上がって読み始めた連載短編集だったのだが…

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『光の帝国―常野物語』のあらすじやストーリーを10秒でまとめると…

光の帝国―常野物語とは…

常野から来たという彼らには、みな不思議な力があった。しかし力をむやみに使いもせず、権力への傾倒もせず、普通の人達にまぎれてひっそり暮らす。彼らの持つ優しさとどことなく流れる哀しさは何故なのか?常野一族をめぐる10編の短編集。

『光の帝国―常野物語』っておもしろいの?感想は?評価は?おすすめ?教えて!レビューロボ・読書エフスキー3世!

文豪型レビューロボ読書エフスキー3世
前回までの読書エフスキー3世は…

書生は困っていた。「生きてるうちに世界中の本を全部読みてー!」と仕事中に寝言を言ったせいで、独り、無料読書案内所の管理を任されてしまったのだ。すべての本を読むには彼の人生はあまりに短すぎた。読んでいない本のおすすめを聞かれ、あたふたする書生。そんな彼の元に22世紀からやってきたという文豪型レビューロボ・読書エフスキー3世が現れたのだが…

大変です!先生!『光の帝国―常野物語』の事を聞かれてしまいました!『光の帝国―常野物語』とは一言で表すとどのような本なのでしょうか?

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“超能力一族の光と影を描いた短編集”ジャ。
…と、言いますと?正直な所『光の帝国―常野物語』は面白い本なのでしょうか?

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面白イ面白クナイハ私ニハ決メラレナイダロ。ソンナノ個人ニヨッテマチマチ。
えーっと、それでは困るのです。読もうかどうか迷っているみたいですので。ちょっとだけでも先生なりのご意見を聞かせていただきたいのですが。

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真ノ紳士ハ、持テル物ヲスベテ失ッタトシテモ感情ヲ表シテハナラナイ。私ノ好キ嫌イヲ…
えええい。毎回同じ事の繰り返しで!先生、失礼!(ポチッと)

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ゴゴゴゴゴ…悪霊モードニ切リ替ワリマス!
うぉおおお!先生の読書記録が頭に入ってくるぅぅー!!そして何者かに体が、体が乗っ取られるぅぅぅ!!毛利さあああーーん!

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批評

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さて、今まで恩田陸の作品を発表順に読んできたわけだが、今回の『光の帝国―常野物語』は形的には初めての短編小説集だ。
実は僕、短編小説って苦手なんですよね。

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それはなぜかね?
短編小説って10編ぐらいがマシンガンの弾丸のように一冊の本になっているじゃないですか。その中のひとつが僕の心をズキューンとド真ん中で射止める時があるわけですよ。

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弾丸だけに、ズキューンと…
その度にもっと読みたいもっとこの続きが読みたい!って衝動に駆られるんですけど、長編なら続編が見込めますが、短編小説はその可能性が薄いというか…

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安心しなさい。この短編小説は今のところ続編が2つも出ている。
おお!!マジですかい!たぎる、たぎるぜぇー!!

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しかも君が望むような「もっと、もっと!」に答えるように長編小説で用意されていますよ。
おおお!!ニクい演出しますね、恩田陸!

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まぁ、あれだね。この作品、初めての短編小説集って言ったが、初めて恩田陸があとがきを書いている。その中で、「オセロ・ゲーム」や「光の帝国」はもともと独立した長編で考えていたものだ、と言っている。
おおお。別々の作品として考えていたものを同じ世界観の中に詰め込んだんですね。やりますね!恩田陸!しかもその二つ、まさに僕がこの本の中で胸を打った作品ですよ。

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それにしても、“光の帝国”というタイトルの付け方もなかなかニクいものだと思う。
“光の帝国”ってミスチルファンならおなじみの画家、ルネ・マグリットの絵にもありますよね。

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そうだね、昼と夜が同時に滞在している不思議な感じがする絵だね。
シュールレアリスムの画家ですもんね。ルネ・マグリットって。岩が空を飛んでたり、体が透けて背景が切り抜かれていたり。岩が空を飛んでいるのはミスチルの優しい歌、体が背景になっているのは口笛のシングルジャケットのオマージュで使われますね。

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オマージュと言えば、この作品以降、恩田陸は結構小説のタイトルを既存の作品や音楽のタイトルなどから拝借する事がちらほら出てくるのだよ。ヘンリー・ジェイムズの『ねじの回転』とかね。
そういうのってただその作品が好きだからつけるんでしょうか?前から疑問だったんですが。村上春樹の『1Q84』とか伊坂幸太郎の『ゴールデンスランバー』とか。

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ジョージ・オーウェルやビートルズの曲は確かに好きだろうね。でも好きだからってだけでは付けないと思うよ。作品内の何かを表現するのに適切だから付けるのであろう?
それで言うと今回の“光の帝国”は何を表現しているのでしょうか?

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ルネ・マグリットの光の帝国は昼と夜が同時に表現された作品であろう?今回の話は超能力を持った一族の話を描いた。前半は比較的明るい昼のような話。超能力を持つことでこういう奇跡が起こるというような。
そーなんですよね。心がホコホコしそうな短編が続くので、この短編集はそういう世界観なんだなって思ってたんですよ。ところが「光の帝国」という作品から一変して暗いくらぁ〜い話になるんですよ。あれにはビックリしました。

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超能力を持つが故に人から、その力を羨望され、命を狙われる。
恩田陸の作品は今までミステリーだけど人が死なないよなーなんて思っていたんですが、今回は死を描きましたよね。超能力一家がなぜ能力をひた隠しにするのか。僕なら隠さないのになぁとか、一番最初の短編に出てきた少年のようになぜ人に言っちゃいけないんだ?能力あるなら使うのが義務だろ!ノブレス・オブリージュだろ!とか思ってたんですが。

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でもそれが「光の帝国」で理由が明かされると。その作品以降は闇の部分も描くと。そういう所で言うとこの作品は一族の光と影、昼と夜を同時にきっちり書いている。まさにルネ・マグリットの描く「光の帝国」のイメージにピッタリではないかね?
確かにルネ・マグリットの絵をじーっと観てると、この小説は『光の帝国』というタイトル以外に考えられないように思えてきました。常野一族のイメージにピッタリですね、この絵。暗闇の中でひっそりと灯をともし暮らしている。青空に囲まれながら。うん。そんなイメージですね。ラストを読むと常野一族の未来は青空が広がっているとも思えますし。

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ところで、前回の『三月は深き紅の淵を』も実はこの作品と同じような書き方をしていると思うのだよ。
…と言いますと?

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今回は常野一族というテーマを扱っているが、すべてが別の登場人物の話で、でもどこかで繋がっているように書かれている。
あ。それは前回の『三月は深き紅の淵を』のレビューの時も言ってましたね。全部バラバラな話なのにどこかで繋がっている感じがするって。

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では今回の作品と前回の作品、どちらが読みやすかっただろう?読みやすいというか読書にスッと入っていけたかだが。
うーん。面白いかどうかは別として、今回は短編集ってのが目次を見ただけですぐにわかったから、話が繋がっていなくても読みやすかったですね。一方、『三月は深き紅の淵を』の方は1章、2章みたいな感じで章立てだったので、繋がっていると思い込んで読んだので、違和感はありましたね。でもどちらも面白かったですよ。

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そう。私が注目したいのは、どっちも面白く、似たような構成だけど、別の方式で書けるという事。恩田陸の幅広さを評価したい。もちろん、前回の作品を今回のように短編集として構成しても良かった。でもそうしなかった。だから作品の幅が広がった。二つ続けて短編集として発表しても良い作品を二つの形で提示出来る。こっちは好きだけどあっちは苦手。そういう選択肢がある。
あーたしかに、僕は今回の作品の方が読みやすいと感じましたが、『三月は深き紅の淵を』の方が読みやすいっていう人もいますもんね。

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今回の常野一族の話もそうだったが、そういう裏と表、善と悪をどちらが良いと決めつけず、境界線をふわっと提示出来る所に恩田陸の魅力があるのではないか?と私は思う。
恩田陸の作品を読むと、自分の読書傾向がわかりますよね。カチッとした方が好きなのかとか、曖昧な感じの方がいいのかとか。

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それで言うと、きっと今回解説をした久美沙織という方は、この作品が綺麗にハマったように思われる。正直な所、今まで解説を書いてきた人の文章の中で、「あ、これは建前上で誉めているな」と戸惑いを隠せていないような解説もあった。
あー、あの作品の解説ですね…。

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それに対して「もう人間でいたくないあなたに」とタイトルから始まる、この解説。名文だと思う。前回の『三月は深き紅の淵を』の第4章で書いてあったように、タイトルは重要だというのを理解している。そしてこのタイトルに引っ張られて文章の中身も立っている。
現に、この解説から影響を受けて書いてるであろうレビュー多いですし。みんなが感じた事、感じるであろう事を上手くまとめてますよね。

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なので、これからこの本を読もうとしている人にはぜひこの解説は楽しみにして欲しいと伝えておいてくれ。これほど恩田陸の魅力を上手く表現している解説はそうあるまい。はじめに恩田陸を読むのならこの本から入るのも一つの道だろう。
なるほど!

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以上!白痴モードニ移行シマス!コード「ジェーヴシキン・ボボーク・ポルズンコフ!」
あれ?僕は一体何を…。喉がカラカラだ。ん?こ、このカセットテープは。

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ブックレビューテープ

読書エフスキー3世ウィンク読書エフスキー3世

ウィンク。パチンパチン。
せ、先生!ありがとうございます!これを何度も聞いてしっかりと『光の帝国―常野物語』の読書案内を出来るように努力します!

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マ、イチ意見デスヨ。「幸福ハ幸福ノ中ニアルノデハナク、ソレヲ手ニ入レル過程ノ中ダケニアル」ト昔ノ人モ言イマシタシ。ヨリヨクオススメデキルヨウニ努力スルノハハイイコトデス。
光の帝国―常野物語レビューお終い

『光の帝国―常野物語』で気に入った表現や名言の引用

「一杯の茶を飲めれば、世界なんか破滅したって、それでいいのさ。by フョードル・ドストエフスキー」という事で、僕の心を震えさせた『光の帝国―常野物語』の言葉たちです。善悪は別。

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あのねぇ、ニッポンはミンシュシュギの国なの。ミンシュシュギということは、つまりぃ、他の人よりも余計なものは持ってちゃいけないってことなの。分かる?

春の夕暮れ。明らかに新卒らしい青年たちが、慣れない敬語から解放されてホッとした表情で帰ってゆく。新しい年度が動き始め、新入社員たちがようやく「かしこまりました」と言えるようになる頃だ。なんとなく胸のどこかに痛みを覚える季節。こんなことをしていていいのだろうか? これがほんとうに自分のしたかったことなのだろうか? こうして歳をとっていってしまうのだろうか?

大多数の人間は生きていくために仕方なく、時間に追われて無我夢中で不本意な仕事をしながら、あっとういうまに歳をとる。ほんの一握りの人間だけでしょう、自分のしたい仕事をして、しかもそれがその時代を代表するような仕事になるってのいうのは

いったい日本中、どれだけの場所でこの先生は草履を履いて校長をしていたのだろう。

晴れた空に真っ白な月が浮かんでいた。その月を見た途端、何故か涙がこぼれて来た。昼も夜も、月はいつもある。みんなが同じ一つの月を見上げている。

鏡を見なさい。今自分がどんな恥ずかしい顔をしてるか目を開けて見るんだ。自分がどんなにくだらないことをしてるか、おまえが一番よく分かってるんじゃないかね? え? 確かに世の中はくだらない人間がいっぱいいて、そういう人間におまえがたくさん嫌な目にあわされてきたのは認めよう。でも、だからと言って、おまえがくだらない人間になっていいって法がどこにある? そんなことは他でもないおまえが誰よりもよく分かってるはずだろうが

僕たちは、無理やり生まれさせられたのでもなければ、間違って生まれてきたのでもない。それは、光があたっているということと同じように、やがては風が吹き始め、花が実をつけるのと同じように、そういうふうに、ずっとずっと前から決まっている決まりなのだ

あたし、古臭い言葉だけど『継続は力なり』って言葉好きなの。あれは本当だと思うわ。ずうっと続けなくちゃ。いろいろ試して、試して、試し続けなくちゃ。ちょっとやってみただけで、いったい何が分かるっていうの? みんなで長い長い時間の先を目指して、ずっと歩き続けなくちゃいけないの。でないとあたしがここにいる意味ないもの。

あのね、大変なことというのは目の前で、当たり前に起こっているもんだよ。さあ大変、なんて形では訪れてくれないよ。目の前で少しずつ少しずつあたしたちをごまかしながら切り崩してくんだよ。猿がチョコレートにどんぐりを混ぜて売る話は知ってるだろ? いつのまにか、どんぐりの量の方が多くなってしまったって、アレだよ

地獄だ、この世は。みんな自分のことしか考えていない。

私たちは仕事をして、お金を貰っています。目的を達成するために、目の前にある問題を一つ一つ片付けることでお金を貰って生活しているのです。ものを作る。ものを売る。みなそうです。ものを作る、ものを売るという目的を達成するために、技術を磨いたり知恵を絞ったりする。政治も同じです。政治家は、目の前にあるみんなに共通の問題を解決することでお金を貰っているはずなのです。政治は素人には分からないと彼等はいいます。彼等のすることに従っていればいいのだ、と。しかし、これはおかしい。彼等が私たちよりも頭がいいと言うのであれば、私たちに分かるように説明すべきなのです。雇主は私達です。本当に頭のいい人というのは、難しいことをわかりやすく説明できる人のことです。彼等が私たちに分かるような政治ができないというのは、彼等の力量不足なのです。今、はっきりしているのは、彼等には問題解決能力がないということです

そんな、別にいいじゃないか、親が何人いたって。多くて困るもんじゃなし。お前は俺たち四人の子供だよ

あのさ、僕の尊敬するチェリストが言ってたんだけどね。音楽にすれば全てが美しいって。憎しみも嫉妬も軽蔑も、どんなに醜いおぞましい感情でも、それを音楽で表現すればそれは芸術だからって。だから音楽はどんな時でも味方なんだって。武器なんだって。心変わりしない。浮気もしない。いなくなったり死んだりしない。そのへんの男よりかよっぽど頼りになる。君は世界一の味方を手放そうっての? 君の頭の中にあるのは、それを手放すに値するだけのものなの?

小説のタイトルは、はやり歌における十五秒CMで流すサビの部分のようなもの。

どっちも、であって、どっちか、は無理。白黒きっちりそれぞれの領土にわけて、別々に処理することなんてできるもんじゃない。いいもんがほしければ、わるいもんも洩れなくついてきてしまう。嬉しいことだけ手にいれて、悲しいことは避けて通るなんてワガママはとおらないよ……

誰でも、いつかは、必ず死ぬ。人間は致死率百パーセントである。

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引用:「光の帝国―常野物語」恩田陸著(集英社)

『光の帝国―常野物語』を読んでいる時にパッと思い浮かんだ映画・小説・漫画・アニメ・テレビドラマ、または音楽など

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神ト悪魔ガ闘ッテイル。ソシテ、ソノ戦場コソハ人間ノ心ナノダ。コノ作品ガ私ニ思イ起コサセタ。タダソレダケナノダ。

『光の帝国―常野物語』のまとめ

“光の帝国”と聞いてスター・ウォーズを連想する人は何人いるでしょうか。この小説がSFなのだと勘違いする人は何人いるでしょうか。しかし、ページを開いた瞬間、その連想は全くの間違いだと知る。こんなに優しく哀しいファンタジーだったのか!と。

それほど“光の帝国”という言葉が持つイメージは強い。しかし一方でルネ・マグリットの“光の帝国”という作品はあまり知られていない。だからきっと“光の帝国”と聞いた時にあの絵ではなく、SFのイメージの方が浮かんでしまう。

恩田陸は様々な作品に触れているようで、博識な感じがします。だからきっとルネ・マグリットの“光の帝国”の事も知っているでしょう。でも、ルネ・マグリットの絵を見てこのタイトルを付けたなんてどこにも書いてないし、言及もしていない。でももしそうだとしたら、なんとも見事に絵のイメージを文章で表現したものか。

なんと見事に一冊の短編集で昼と夜を同時に描いたものか。短編集が基本的に苦手な僕でも、この短編集はぜひ誰かにオススメしたい短編集三冊の中の一冊になりました。

ちなみに、僕は“光の帝国”と聞いてウルトラマンを思い出し、Amazonプライムビデオでウルトラマンをイッキ見しました。『射つな!アラシ』という回で泣きました。毒蝮三太夫の演技、恐るべし。うるせーババァってだけの人じゃなかった。

ではでは、そんな感じで、『光の帝国―常野物語』でした。最後にこの本の点数は…

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