『淵に立つ』こころの中の闇を吐き出すために書き出す自作ポエム

淵に立つ

奥を覗いて遠くの遠くの遠くを覗く

そこは深い闇の中

光が見えずに闇の底

飛び込む勇気もなければ 引き返す決意もない

ただそこに立っているだけ

一呼吸 踏み出せれば
一足 踵を返せれば

呼び止める声が聞こえるのはテレビの中だけ

僕を必要とする人はなし

ドラマチックに 人生がドラマチックに送れたらどれだけ素晴らしいことだろう

自分は天才なのではないかという疑惑が消えるまでにそれほど時間はいらなかった

ほんの少しの尿意と 自己弁護の時間だけでそれらは消えていった

あとに残るのは 自己欺瞞と なんとなしの自己犠牲だけ

亀が道端でバラバラになっていた

ピンクと白の肉が散らばり

硬いはずの甲羅が粉々になっていた

何かが自分の中で変わってしまった気がする

僕に良くしてくれていた おばさんが亡くなった

父が入院し 身体が動かなくなった

目の前で猫が 車に轢かれた姿をみた

車は何事もなかったかのように立ち去った

次々と襲ってくる何かは なんだ

なぜだろう

人が墓参りをしている姿を見ると目頭が熱くなる

みんながずっと一緒にいられたらいいのに
みんながずっとずっと一緒にいられたらいいのに

何度思ったことだろう

そして何度それは叶わぬことだと思い知ったことだろう

穴を覗いて淵に立つ

淵に立って穴に叫ぶ

もうどうしようもない 終わりがきたのさ

自分の無力さを知って 身を任せるしかないのさ

どんな事もいつかは終わる

どんな事の中には 悲しみだって入っているのさ

目を閉じて 耳をふさいで 口をつぐむ

それでいい それだけ出来ればもう何もいらない

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淵に立つ自作ポエム
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