四国歩き遍路日記10日目:蓼食う虫も好き好き。お金だって好き好き…

四国歩き遍路日記10日目。この旅の記録は以前旅をしながら公開していた日記を諸事情によりお蔵入りしまったものを再編集して公開したものです。

そーいえば、この日記を更新している日付についてですが、このブログでは発行した日と更新した日の両方が表示されるようになっています。

なので、2017年の方が復刻前に出した日付、2018年の方が復刻後に更新した日付になります。あまり注目されることはない事だと思いますが、ちょこっとメールで戴いた質問の中にありましたので、ここでお答えしておきます。

ではでは、再編集版よろしくお願いします。

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四国歩き遍路日記10日目のまえがき

四国歩き遍路日記10日目-00

『四国歩き遍路日記10日目』です。今日はなんだかお金の話がいっぱい。いろいろな角度から様々な物の考えを得ることが出来るから本当に楽しい。

自分が賢くなっていっている気がする。

そんな横着なことを考えていたら、お財布を落とすという…

※復刻にあたり、旅先で沢山写真を撮ったものをアップすることにしました。ここで紹介しきれない写真なども高画質でアップしてありますので、よろしければ御覧くださいませ。

四国歩き遍路日記10日目の写真アルバムはこちら

お金を稼ぐ事とお金を使わない事は同じ事

四国歩き遍路日記10日目-01

朝起きると、同じタイミングで先生も起きてきた。昨日1時半まで話していたのに本当にパワフルだ。僕もこんな70代になりたいと思っていると、先生は開口一番焼き芋の話をした。

「焼き芋を炊く釜ってあるだろ?あれって、ちゃんと買うたら10万円ぐらいするんじょ。それをな、ワシは2000円で作ったんよ」

10万円!?意外と焼き芋って高い調理器具を必要とする食べ物だったのだな。スーパーでしか焼き芋を買った事がなかったから知らなかった。それにしても2000円って50倍近く節約してるじゃないですか!!

「焼き芋の釜見せてもろうて、原理と理論を知ってな。縁側に座ってウーンウーンと考える。すると、あれ使えるかなー、とか色々浮かんで来るんよ」

原理を理解してもそれを身近なもので再現して見せるという発想がすごい!

「それを実験してな、あれこれやる。ウチには他からいらなくなった物とかもろうて沢山取ってあるからな、それを組み合わせると10万円なんて払わなくても出来てしまう」

本当にここの小屋には様々な物がある。いや、様々な物があるというレベルではない。宝の山という言葉があるけれど、山ひとつに先生にとっては宝になる物がぎっしり詰まっているのだ。

宝の持ち腐れという言葉もあるけれど、物は使いようによって0にも100にもなるものですな。パソコンの知識が全くない先生だけれど、倉庫の中にパソコン・パーツまで発見したときはビックリした。

そしてもっと驚きなのは、オーディオヲタである僕をうならせるような伝説の銘機、MARNTZのアンプまでもが倉庫で眠っていた事だ。これが歩き遍路の旅でなければ土下座してでも欲しいと思ったものだった。

ま、今は荷物が増えてしまうからもらえないのだけれど。すごいなぁ〜。物を大事にするって何十年も続けるとこういう事になるんだなぁ〜。

僕も断捨離ブームで部屋の中の物をどんどん捨てたりしてしまったけれど、取っといてもいいなぁという気分になった。

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豆腐を作る機械を作った知り合いがいてな

四国歩き遍路日記10日目-02

先生の話はとある男の人の話を始めた。

「豆腐を作る機械を試す為に沢山豆腐を作る。そしたらな、その会社は豆腐作りも上手くなって豆腐も販売するようになった」

ほほう。好きな食べ物ランキング2位に豆腐が君臨する僕にとって興味深い話です。

「んでな、豆腐を作るとオカラが大量に出来る。でもな、オカラって水を含んでいるから、1日かそこらで腐ってしまうんよ」

へー。オカラってなんか長持ちしそうな食べ物って勝手なイメージを持っていたけれど、言われてみればそうか。水を含んでるんだもんな。

「そしたらまたその会社は、オカラを乾燥させる装置作って儲けたんよ」

オカラを乾燥させる装置!!なんと。水を取り除いてしまえば長持ちするって寸法か!

「ただな、乾燥したオカラが腐りにくくなってもオカラである事には変わらんけー、買うてくれる人がおらん。だから何とかならんかなーって、ワシに相談してくるんよ」

ほほー。たしかにオカラって活用方法が全く思い浮かばない。僕は“白和え”という料理が好きなのだけれど、あれは豆腐であってオカラじゃないもんな。あれなら無限に食べられるんだけれど。

「おからクッキーとか、おからケーキとか作ってみても売れなんだ、ワシは一旦食べ物って言う固定観念から離れてみーって言ったんじゃが、聞かないんよな」

食べ物以外。…うーん。なんだろ。オカラが食べ物なのだから、食べ物以外に活用出来るものなのだろうか。例えばオカラじゃなくて、豆腐だとしても活用方法は食べ物以外に思い浮かばない。

お豆腐の美容液?お豆腐のペンキ?お豆腐で出来た家?

うーむ。良さげなアイディアは食べ物以外からは浮かんでこない。

「理由は産廃からな食べ物を作ったら行政からお金出るんらしいんけど、食べ物以外作ってもお金が出ないんじゃな。なんかこー、金儲けがな頭を固くしとるんじゃろーな」

そんな話を聞きながら、物を再生させるにしても世の中には色々な人がいるもんなんだなーと思いました。

先生の小屋にはアイディアがいっぱいで他ではゴミと思われるものでも、活用しているものが沢山で見ているだけでも楽しくなります。

別にお金儲けが悪い事とは限らないけども、お金を儲けて新しいものを買うのと、使われなくなった物を活かしてお金を使わないの、どちらもお財布の中は一緒だよね!

お財布の中が一緒なら、なんとなくさ、エコの方がみんなが幸せになると思うんだ。新しい物を買っても自分しか幸せにならない気がするし、その幸せも一瞬な気がする(税金の問題は別として)。

なんて事を考えた。僕は昔からお金関連の話があまり好きではない。いや、お金の話は好きなのだけれど、お金稼ぎの事を考えている自分が嫌いなのだ。

世の中からお金がなくなれば、不便にはなるだろうけれど、それと同時に色々と頭をつかうようになって、人のために行動するのではないか?お金で不幸になるような人も減るのではないか?なんて事を真剣に考えた事があった。

それで20代後半の時にお金を10万円稼ぐのとお金を10万円節約するのは一緒なのだ、それなら節約術を身に着けようなんて思い至った。このブログだけで生活出来ているのも、まぁ、その考え方の延長だ。

お金は沢山稼げはしないけれど、時間は自由に使えるようになる。その時間にお金では買えない沢山の経験をしようと思っている。だからこうやって旅に出ることが出来ているわけだ。

蓼食う虫も好き好き

四国歩き遍路日記10日目-03

ま、考え方は人それぞれだからさ、何が好きだとか文句言っちゃいけないし、人に考えを押し付けてもいけないよなー。とか思ってたら…

四国歩き遍路日記10日目-04

先生は、「ちょっと来てみいー」と、お勝手口から木を覗かせ、葉っぱを一枚ちぎった。

四国歩き遍路日記10日目-05

「これ噛んでみ?」

僕は言われるがまま葉っぱをひとちぎり口に入れる。

もぐもぐ。

もぐもぐ。

野口明人
野口明人
辛ーーーーーーーっ!

な、なんじゃこりゃー!!カラい!ワサビみたいなピリピリする辛さだ。

「これが蓼(たで)という植物や。こういうのを好き好んで食べる虫もおるんやで。蓼食う虫も好き好きっちゅうやつや」

蓼。これを好んで食べる虫さんに敬礼。僕はアウトです、ア・ウ・ト。

「んで、この蓼っちゅう香辛料は料理の味を引き出してくれたりする。おせちに入れたりするやつや」

ほほーおせちに入れるのか。あれかな。これ入れると虫も寄り付かない的な米びつに唐辛子入れる知恵的な感じの役割もするのかな。

「だからな、人の好みも否定してはいかんし、そういう人がある事で、引き立つ人もおるっちゅーわけやな」

なるほどなー。

な、なんとわかりやすい説明!

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今日は鳴門金時を受け取りに行く

四国歩き遍路日記10日目-06

毎週木曜日は鳴門金時を受け取りに行く日。ここに来て1番初めに手伝った仕事。つまりは僕はここに1週間滞在した事になる。仕事の内容が1周したわけだ。

山を降りる途中でお気に入りの風景をパシャリと撮り、あの空を見れば明日以降の天気がわかると先生の仙人のような能力を教えてもらった。

そして吉野川を眺めながらドライブした後で、農家に行き、選別に落ちた産廃の鳴門金時を受け取った。トラックに沢山積んだ姿を見るとこんなにも多くの鳴門金時が市場に出回らず捨てられている事にやはりビックリする。

その後、先生はあいあい温泉という所に連れて行ってくれた。

四国歩き遍路日記10日目-07

私立恵比寿中学のぁぃぁぃが好きな僕としてはなんとなく嬉しい名前の温泉だ。うっきっきの方のあいあいだけれど。

四国歩き遍路日記10日目-08

時間は午後3時過ぎ。温泉には沢山のおじいちゃんが集まる。

昔、「まるで養老院みたいやな」と先生が言うと、「お前もそうじゃろ!!」と言われて初めて自分が歳をとった事に気がついたという話を聞いた。

先生はいつもパワフルで、自分が老いた事ですら忘れてしまうのだ。

ただ、やはり体は正直なもので昔は普通に出来たことが徐々にしんどくなってきているらしい。温泉で見る先生の肉体はまるでそんな事を感じさせないぐらいの完璧超人なのだけれど。

しかし、その先生は露天にある温泉につかり、パカーっと口を開け居眠りをしていた。毎日遅くまで僕と話をすることに付き合ってくださっている事も、疲労を溜めさせてしまっているのだなぁ、と少し反省。

四国歩き遍路日記10日目-09

温泉後にはアイスを買ってくださった。うまー。先生は大の甘党。お酒が全く飲めないのだそうだけれど、温泉上がりに毎回アイスを食べるのが一日の楽しみなのだそうだ。

僕も甘党なので、気が合う。

久しぶりにお参りをする。心の変化。

四国歩き遍路日記10日目-10

さて。獣医の仕事が入ったらしく、僕は少しの間、暇をもらう。

葛城神社という所を発見したので、お参りをした。葛城と聞くとエヴァンゲリオンを連想してしまう僕。僕はエヴァの中で誰が好きか?と聞かれればこう答えるだろう。

マヤ!!

レイでも、アスカでも、マリでもなく、コンピューターをパチパチと叩いている伊吹マヤが大好きだ!先輩!と呼ばれたい。

…てか、あれだな。iPhoneのカメラの調子がすこぶる悪い。カメラを起動すると大地震でも起きているのか!?って思うぐらい画面がブルンブルン震えている。何が悪いんだろ。ちょこちょこ写真がブレブレなのはご勘弁。

別に神社だからと言って霊的な力が働いているわけじゃないんだからね!!

四国歩き遍路日記10日目-11

あぁ。この写真もブレブレだ。

二礼二拍手一礼。先生と話した事で、神様にお願いする内容も少し変わる。

自分の事ばかりお願いするのではない。まずは神様に感謝し神様の健康を祈る。

いつもみんなを見守っていただきありがとうございます。神様が健康でありますよーに。

その後、みんなの平穏を祈り、願わくばそのみんなの中に自分や周りの人達も含めてくださるよう祈願。

そして財布を落とす…。

先生のご自宅でご飯をご馳走になる

四国歩き遍路日記10日目-12

先生が仕事を終え、僕を迎えに来てくれると、その足で自宅へ向かった。

「ほい。これ道に落ちていたで、あんたの?」と、僕に財布を渡してくれた。

野口明人
野口明人
うおーーーー!!!神様じゃー!先生は神様なんじゃー!!

神様、仏様、先生さまーーーー!!!

つい昨日、先生とあねさんの前で、僕はあんまり物を落とした事ないんですよーと豪語したばかりだったから、先生は笑っていた。

なんて事を車の中でやっている間に先生の御自宅に到着。僕がここへ初めて来た時、僕が好きな食べ物は1位唐揚げ2位豆腐3位うどん!という話を覚えていてくださり、先生の奥様が今日も豆腐を出してくれた。

こういう心遣いに人の温かさを感じる。ううう。

お魚のフライは鰆。春の魚と書くけれど、鰆は一年中おいしい魚。何にしても美味しいらしい。僕は正直な所、魚があまり得意ではないのだけれど、この魚は本当に美味しかった。

衣がサクサクだ。ご飯がすすむ!!

ご飯を3杯、たらふく食べ終えた後、お孫さん達と一緒にポケモンを見ながら折り紙折ったりしてゆっくり過ごす。

1番下のお孫さんが僕の膝の上にピョコンと座ってくれた。前回の失態で嫌われてしまったかなぁ…と思っていたけど一安心。

四国歩き遍路日記08日目:松茸狩りと月の話。見える物が全てじゃない

前回の失態はこちらの記事に書いてあります。

1時間半かけて小屋へ戻る

四国歩き遍路日記10日目-13

時間が来たので、お孫さん達に別れを告げ、車でブンブン山を登る。小屋へ着いたのは21時ごろ。

荷物を降ろし、一息つくと先生は、とある物を飲ませてくれた。

甘酒だ。

甘酒なんて、関東でも飲めるじゃないかと思われるけどそうじゃない。徳島の人が飲む甘酒は酒粕で作ったものではなく、お米なのだ。

まぁ、お酒ももともと米から作るわけだから大した違いがないとか思われるかもしれないが、全然違う!!ぜひ一度飲んでもらいたい。飲んだ時にお米のつぶつぶが口に入ってくるよ。

徳島の方では昔から味噌屋がお米を発酵させて甘酒を作るらしい。

それを子供の頃から牛乳などがない時などに飲む。砂糖などが入っていないのにほんのり甘く、これがまた美味い。なんとか安く注文出来るのなら、大量買いしたい所だ。

どうやら、甘酒というのは酒粕のものと、米麹のものと二通りあるらしい。

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僕が飲んだのとは違う会社のものだけれど、Amazonでむっちゃレビューついてた。飲む美容液なんて言われているぐらいだから、体にいいのかも知れない。

世の中の糖分は全て酒になり酢になる

四国歩き遍路日記10日目-14

そういえば、この甘酒を飲んでいる時に面白い話を聞いた。

全ての糖分は、お酒に変わるというのだ。先生は体質上全くお酒を飲まないのだが、原理をよく知っている。

ぶどうを皮ごと潰して空気に触れさせずにしばらく置いておくと菌が活動し、ワインが出来る。その後さらに置いておくと今度は酸になり、バルサミコ酢が出来る。

お米であれば日本酒になり米酢になる。柿なら柿酒が出来、柿酢になる。

でんぷんではならない。でんぷんを糖分に変えることによってこの作用が起きるのだ。

昔、口噛み酒と言うのが儀式などで使われたりしていて、お酒の始まりだとかなんとかをもやしもんという漫画で読んだことあったけど、あれはでんぷんを糖分に変える行為だったのだな。

ま、原理を知ったところで法律があるから作れないんだけどさ。お酒をみんなが作り出したら、酒税が取れなくなるもんね。

許可とるにしてもお金がごっつかかるんよ、だから酒蔵は財閥とかお金持ちが多い。

お金持ちが儲かり、貧乏人は搾取される。そこに不満を持ってしまうとさらに酒が進む。法律って一部の財をなした人達が自分の身を守る為に作ったんじゃないかとさえ思えてきてしまった…。

同じ事でも人間の利益によって呼び方を変える

四国歩き遍路日記10日目-15

お金持ちとは勝手なものだなぁ〜と、僕が先生に愚痴をこぼすと、「そうじゃない」と言う。

「お金持ちに限らず人間ちゅうもんはえらく勝手なもんなのだ」

ぐぬぬ?

「お酒や酢の原理である発酵。熟成するとか言うけど、熟成と腐敗の違いはなにかわかるか?」と質問された。

うーむ。

うーむ。

食べられるかどうかっすか?

「そうじゃ。人間にとって利益になるものは熟成と呼び、害を為すものは腐敗と呼ぶ」

なるほど!

「菌が作用して形を変えるという事は一緒なのに、得があれば麹と大事そうな名前をつけ、害があれば腐敗菌とまとめてしまう」

ほえー。なるほどなー。

「人間とはお金持ち貧乏関係なく勝手なもんなんじゃ。損得ばかり考えてしまうけど、人間は地球に生かされておるという事を忘れてはならん、感謝の気持ちを忘れちゃいかんのじゃな」

ほほう。ほんとに勉強になります。地球は偉大だ。

医者とラーメン屋

四国歩き遍路日記10日目-16

その後、医者のビジネスやラーメン屋のビジネスの話を聞き、僕が過去に受けた心療内科が、なぜお粗末なものだったのかを理解する。

名医と呼ばれる方法。それは人がたくさん集まっている所を見せる事。

行列が出来れば、あのお医者さんは名医と呼ばれる。人が集まったなら、回転率をあげ、収益を回収する。

まー、お医者さんも仕事だもんな。お金儲けの手段なわけだし、儲けを考えれば、回転率って大事になる。

そうすると一人一人に時間をかけて診断するより、サラッと話を聞いて、薬を出す方が回転率があがる。

行列を見れば人は集まりたくなる。行列を作るには、お客さんが少ない時にはゆっくり仕事をし、人を待たせ、人が集まればテキパキさばく。

そうやって仕事というのは出来ているのだと、理解した。

そして、人間は自分の行動を肯定的に捉えるものだ。長い行列に並んだことを無駄にしたくない。ある程度の満足を得たなら、そこにちょっとの不満があったとしても、自分の行動は正しかったのだと思いたいものだ。

行列に並んだだけあったね。そう思いたい。

そして双方が不思議とうまく噛み合っていく。

ま、仕方がない事だよな。みんな生きているのだし、生きるためにはお金が必要だもんな。生きる事はお金を稼ぐ事。生きたければ必死にお金稼ぐよな。すごい方法を考えた人がいたものだ。

獣医は動物と飼い主の2人を見なければならない。

四国歩き遍路日記10日目-17

お医者さんは人を診る。患者さんは言葉を話すし、その言葉から判断して、検討し、写真を撮って確証を得る。そして薬を出す。

しかし、獣医の先生は動物を見なければならない。動物は言葉を話さない。症状を診て、判断し、飼い主に話を聞く。

たとえ病気の治療をした所で、飼い主の行動が間違っていたら、再び動物は病気になってしまう。

だから、動物と人間、2人を診なければならないのだ。

人間は自分の行動が人に悪影響を与えている事にはなかなか気がつかない。それを相手が受け取りやすいように反感を買わないように教えてあげる。

そうなると時間がかかる。

先生は車に乗っている時も後ろに車がいれば、端に避け、先に行かせる。これは急かされると、焦ってミスをするという自分の性分を理解し、事前に対処しているのだそうだ。

獣医の時も、待たせているお客を見ると焦ってしまい、今見ている患者さんの治療をミスってしまうかもしれないという理由から、お客さんをあまり多く取らなかったのだそうだ。

「ひとつひとつ時間をかけ、心のゆとりを持って診断する。結果、ワシは街で1番の貧乏な医者じゃけー。ワッハッハー」と笑った。

こんな先生に診てもらっていたなら、僕もお医者さんに対して違和感を感じなかったかもしれないな…。ま、過去の事だけどさ。

四国歩き遍路日記10日目まとめ

四国歩き遍路日記10日目-18

今日はなんだかお金と人間の行動についてよく考える1日でした。

先生は僕のお金に対する嫌悪感を読み取って、その考え方もあるっちゃあるけど、その考えは直した方がいいとは思うとおっしゃいました。

うーむ。一度凝り固まった考え方というのはなかなか修正するのは難しい。

お金が存在しなかった頃は物々交換をしていたわけで、そこには心のやり取りがあったと思うのです。

相手が必要としているものを提供し合う。お互いを想い、お互いが納得して初めて物々交換が成り立つ。

それがお金に変わった事で、お互いが交換する物が見えづらくなり、相手が納得しなくてもやりとりが可能になった気がします。

お金をたくさん稼ぐ人達は素直にすごいと思う。それだけ努力しているわけだし、僕も頑張らねば。と思うのだけれど、どうにも自分がお金を大量に稼いでいた時の事を思い出すと自分が何となく嫌いになります。

まさに芥川龍之介の杜子春のような事だったのです。お金がある時は人が集まってくる。しかし、お金がなくなると人はいなくなる。そしてその事に凹む自分。それならお金なんていらんのやー。必要最低限のお金で色々と工夫しながら一人ひっそり生きていた方が楽しいのやー…と。

ま、蓼食う虫も好き好きと言いますし、自分の考えを人には押し付けてはいけないし、人の考えを聞いて否定してもいけない。みんなそれぞれ大切にするものが違うのだから、それはそれでいいのだ。

そんな事を思う四国歩き遍路日記10日目でした。うむ。この議論はまたじっくり先生と行うことになるだろうな。

さてさて。今日はあいあい温泉で気持ちよさそうに眠る先生の姿を思い出し、ちょっと早く寝ておこうと22時半に夜の講義を終えましたとさ。

四国歩き遍路日記10日目の写真アルバムはこちら

にゃんこ先生
にゃんこ先生
世の中、金!金!金だにゃ〜!
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四国歩き遍路日記10日目-03
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