四国で歩き遍路2日目。人との出逢いは必ず意味があるものだと知る。

歩き遍路2日目です。今日も外国の方との交流が多く、日本語よりも英語で話す事の方が多いんじゃないか?と思いつつ、夜に素晴らしい出会いをしたのでありました。

徳島はあたたかい人でいっぱいだ。人生で初めてお泊り接待を受けたよ…。

スポンサードリンク

歩き遍路2日目の朝は洗濯物生乾きで始まる…。

昨日の夜に洗濯をし、テントの中に張ったロープにシャツやら靴下などを干していた洗濯物。

朝起きても濡れている。隣でテントを張らずに寝ていたハンガリー人のクリスは、おはよう。洗濯物を昨日洗ったんだけど、ドライ!と僕の心を読んだかのように英語で笑顔で伝えてくる。

あぁ。外に洗濯物干しておけば良かったよ。そう思っている間にクリスは出発してしまう。うぉー。僕も早々にテントを畳んで出発せねば。

生乾きの服を袋に詰め、一晩泊めてくださった安楽寺に感謝の一礼後、出発する。今日の天気はくもり。背中に積んだソーラーパネル、起動するかな…。

朝食の食パンをかじりながら、十楽寺を目指す

今日の朝ごはんは昨日、4キロほど歩いて着いたスーパー、マルナカで買った食パン一枚。

考えてみれば、トイレ、出てないな。やはりお腹に何か入れなければ出すもんも出てこないんだなとか考えながら歩く。

そして、7時ちょうどに着いた7番札所十楽寺。7なのに10。意外と近かったけど道中誰にもあわなかったし、へんろみちマーク全く見なかったな…。

道あってるのかなと不安になりながら参拝する。ま、たどり着いて参拝出来ればなんでもいいんだけど、出来ればへんろみち歩きたいじゃんね。

とか思いつつ、次の熊谷寺を目指す。十楽寺を出る頃に昨日出会ったお遍路20回目の猛者が入れ替わりで十楽寺に入っていく所を目撃する。

ち、ちがうんだ。僕が逢いたいのは…

道は車道ばかりだけど、徐々に斜面を登ることが多くなる。

ふぇー。マジで誰にも会わない。へんろみちはどこなんじゃろ。

あ。接待所がある。

あ…あれ?

うおーーーーー!!!怖い。ここじゃないよ、絶対。ここの道誰も通らんから、接待所使われなくなっちまったんだよ、これ。うおぉぉぉ…。

途中見つけた内閣総理大臣の銅像を拝む。でもごめんなさい。あなたではないのです。探しているのはあなたでは…。

ぷぇ…。8%の坂だ。自転車だと死ぬやつだ。登り坂なげー。

でも自転車の旅の時に気がついた。こういう坂は頑張ってはいけない。身体に無理がかからない最小限の力で、ゆっくり自分のペースで進む事が大切なんだ、と。

そして…

階段が怖い8番札所、熊谷寺

着きましたよ、熊谷寺。しかし、なぜか道中誰にも抜かれてないのにすでに20回目の猛者が参拝しておる。僕の方が先に出発したよーな気が。

なぜだ…。

やはりあったのかしら、お遍路みち。首をひねりながら門を通る。

門をくぐってしばらく歩いたが本堂が見えてこない。

あ、あれ?なんか門くぐる前の階段長くね?

あ、あれ?門くぐっても階段長くね?

やっとてっぺん見えてきた。

じゃーん。本堂!あ…。左にまだ登る所をあるんだ。

登りますぜ!こんちくしょう。高所恐怖症なんじゃよ、わしゃ…。

おおお。顔なじみの人おるで。彼の後、参拝を済ませて、登ってきた階段を降りる。

高所恐怖症は登るより降りる方が怖いのじゃが、手すりをたぐりながら、そろ〜りそろ〜り降りるとボコン!!とでかい音が聞こえバランスを崩す。

うひょー!石の階段がズレた!死ぬ!これは死んでまう。手すりを掴む腕に鬼のような力を入れへっぴり腰で階段を下りきる。

そんなこんなで、次は法輪寺!今度は絶対、へんろみちマークを見失わないように頑張るぜ!

ひたすら広大な大地を踏みしめて向かう、9番札所、法輪寺!

へんろみちマークを見失わない…とか言ったけど、今回は大丈夫そうだ。だってひたすら長い道を歩くんだもの。

さっきの熊谷寺で、顔なじみのお遍路さんもちらほら見えて来たので、彼らの背中を見失わないように進む。

進む!

じゃーん!9番札所法輪寺。

お参りを済まし、次の寺に向かう前に法輪寺を出てすぐの場所にあった売店で大福を買う。

この大福、5個入り400円だったんだけど、売店のおばちゃんがひとりでそんなに食わんやろ、と言い新品のものから2つ抜き取り3個200円で売ってくれた。

なんと柔軟な商売。

僕は身長187cmの大巨人なんですが…

大福を片手に杖をついて歩いていると、後ろからすぐに鈴の音が聞こえてくる。

振り返ると、そこにはサングラスをかけた、かなり長身の外国の人がいた。

コンニチウワと話しかけられたので、ハローと返し、僕は手に持っていた大福はいかがと勧める。

ノー、アリガート。とにこやかに断った彼はオーストラリア人のタランさん。

彼と英語で色々会話してみると、どうやらポリスマンらしい。88ヶ所すべて周る予定なんだそうで、背中にはテントが付いていた。

おお。同志よ。僕も野宿派なんですよ。彼は今日泊まる無料の場所を教えてくれた。出会いって素敵。今日はこれで寝る場所には困らなくなった。ありがとう。

それと色々とつたない英語で会話してみると、あなたの英語は上手ですね、と褒めてくれた。イイ人。

彼はしきりにアイキャントスピークジャパニーズ、ニホンゴワカリマセンと言ってたけど、彼の方が日本語上手なんじゃないか?と思ってしまうほど、日本語の単語を理解してくれる。

「アイライクチキン」と、僕。「Toriniku!Oh!アイキャントスピークジャパニーズ」わかっとるやないか(笑)

そんな会話をしながら歩いていると、前には昨日一緒に泊まったハンガリーのクリスが。

うぅ…。2人に挟まれると僕がむちゃくちゃ小さく思えてきた。187cmって言ったら結構日本じゃでかいよね?…よね?

井の中の蛙大海を知らず。

彼らと英語で話しながらひたすら歩くと見えて来た門。

熊谷寺の階段なんて…と思ってしまえる切幡寺!

門をくぐると…

石階段が。文字には是より三三三と書いてある。

333段?ほえー。そんなに登るのかいな。

ふえ…。100段近く登ってきてもまだまだ続く階段、階段、階段。

う、後ろを振り返ってはならぬ。振り返れば高所恐怖症の僕が現れてしまう。

うおー!ついにてっぺんの光が。

じゃーん!10番札所、切幡寺!

この切幡寺、とにかく景色がすごくイイ!そして、こんなに高い所まで登ったのかと、後から気がつく実感。

見渡せる景色。

芝生が気持ちイイ。

しばらくそこで景色を眺めていると、顔見知りのお遍路さん達が集結してくる。

そして、次なる寺へ出発。

仲間と歩くお遍路道

気がつけば、3人だったお遍路さんも5人に増える。次に向かう藤井寺は本日最後のお寺の予定。

距離は9.3キロほど。

綺麗な道が続く。藤井寺までは、今までの中では1番長い距離だけど、その分素敵な景色も沢山ある。

細く続く一本道。

歩く歩幅は人それぞれ。一緒にいたお遍路さん達の距離も徐々に広がっていく。

うぉー!!潜水橋!吉野川は川の満ち欠けがあるから、満ちた時に木などが手すりに引っかかって止まらないように、手すり自体がないのだそうだ。

川が綺麗だー!

こんな感じの橋だよ。

吉野川沿いを歩く道も爽やかです。

僕の影。お遍路さんっぽいよね!

道中、歩いていたおばちゃんにこんにちは!と挨拶すると、天気いいねと会話が始まり、色々とお話させてもらったら、まだまだ先は長いからお接待させてもらいます。と、飲み物やおせんべい、塩分の入った飴などを持たせてくださった。

本当にあたたかい。埼玉の方じゃ、人が多くてすれ違いの人に挨拶する事もないけど、こっちではすれ違う人も少ないから、その度ににっこり笑顔でご挨拶。

あぁ、人って挨拶からコミュニケーションはじまるんだなとしみじみ実感。人のありがたみを知る。

ありがたやありがたや。有り難いとはよく考えられた言葉ですな。

藤井寺まであと少しとなると登り道が増えていき…

細い道も増える。

藤井寺まであと少し。

到着したよ、11番札所藤井寺!

ふう。長い道を歩きたどり着いた藤井寺。

空を見上げると、飛行機雲もお祝いしてくれているよう。

…でも、飛行機雲の見える次の日って雨になりやすいよね(笑)

みんなで参拝。今までで一緒に歩いてきたけど、それぞれの宿や寝どころに散り散りになっていく。

ここで一旦打ち切りという人もおり、別れを惜しんで挨拶。ありがとうございます。またどこかで会いましょう。

ちなみに…

明日以降向かうお遍路転がしの入り口の異質さにビビる。

鴨の湯で文化の違いを知る…

僕はハンガリー人のクリスとともに無料で泊めてくれるという温泉に向かう。

1.2キロほど歩くと鴨の湯を発見。クリスとともにまずは温泉に入る。

前に韓国の温泉に入ったことがあるというクリス。お風呂から上がっても一向にタオルで身体を拭こうとしない。

クリスがタオルはどこにあるの?と聞いてくる。

どうやら、韓国の温泉ではタオルが山積みにされており、自由に使っていいそうで、その文化が日本にもあるのだと思っていたそうでタオルを持ってきてないのだ。インジャパン、ブリングタオル。と、説明。

店員さんに説明すると、おろおろして、扇風機で乾かそうとしているクリスに親切にも無料でタオルをくれた。

それをみた他のお客さんが、わしにも今度ひいきしてや、ここのタオル買わんといかんで。と、笑って去って行った(笑)

寝どころを確保し、今日の分の洗濯をしていると新たな出逢いが!

免許証を見せて名前を書くと無料で使わせてくださる小屋。

オーストラリアのタランは藤井寺に行かずに先に到着しているようだった。

大男3人で寝るにはちっとばかし窮屈か…。

夜にお客さんがいなくなったらここら辺でテントを張らせてもらおうかなと模索。

とりあえず洗濯せねば。

このバッグ、水を入れて洗剤入れて、空気を抜いてモミモミすると洗濯出来るすごいバッグなんじゃ。

昨日の生乾きの失敗を活かして、洗い終わった洗濯物は外に干す。

干しつつ、タランがドローン飛ばして遊んでるのを見たり、クリスがパンにバターと豆を挟んで食べているのを見て過ごしていた。

すると、タバコを吸った70歳ぐらいの仙人みたいなおじいちゃんが話しかけてきた。

そして、今日はどこ泊まるんや?と、聞いてきたので、ここの小屋借りたんですよー、と答えると狭いなと笑い、家来るか?とサラサラ〜と、お泊まりのお接待のお誘い。

うおおお!初めてじゃ。お泊まりお接待。2日目にしてさっそく。

しかも、話を聞く所によると、明日の遍路ころがしの焼山寺のすぐそばなのだとか。

ぐぬぬぬ。心揺れる。

僕、心揺れる。さっき見たおどろおどろしい入り口が脳裏に浮かぶ。

でもな〜。なんとなくズルい気がするんだよな。ワープ使うの。

…と、迷っていると、おじいちゃんはタランに誘いの提案を向けた。

タランは、なんだかんだで明日友達と合流して別の所泊まる約束してるからダメなのだと断る。

クリスに提案の矛先を向ける。しかし、クリスも渋った顔で行きたい寺があるからごめんなさいと断った。

うーむ。

僕、どうしよう。

お接待を断るのも失礼な気がする。お接待をしてくれた人の分もお参りする文化なのだと聞いたことがある。

しかも小屋の広さ的に3人より2人になった方がタランもクリスも快適だろうし。

そこでひらめく。

野口明人
明日、またここに送ってもらう事は可能でしょうか?

お手数なんですが…。

別にええよ。と即答。ただな、家は築200年以上やけん。江戸時代からある家でボロやで。

!?

うぉー!!興味ある!むっちゃ興味ある!是非行きたい。

僕はクリスとタランに別れを告げ、ビショビショの洗濯物を袋に詰め、お連れの女性が待つ軽ワゴンに乗せていただきました。

僕は遠慮なく…

まず、夕飯をご馳走になってしまいました。何が好きなん?と聞かれ、うどんです!と答えると、丸亀製麺に連れて行ってくださいました。

なんでも好きなの食べ?

僕は遠慮なく、一番好きな冷やしおろしうどんを注文。いつもなら「中」を頼むけれど、「特盛でいいすか?」と、食パンと大福だけの腹が答える。

かまわんかまわん。と、笑顔でおじいちゃん。

腹一杯になった僕。ごちそうさまでした。と、再び軽ワゴンに乗る。

車は山へ向かう。

注文の多い料理店

坂を登り始め、道にはちらほら木の枝が落ちているのも見える。

グラグラっと車は揺れ、それに全く動じないかのように、猛スピードで駆け上がる。

おじいちゃんは、ここら辺はな、1日に1台か2台ぐらいしか交通量ないんや。ここであんた殺して捨てても誰も見つけにこんちゅう話やな(笑)

え…。ぶるぶる。

とりあえず、降りいや。

いやいやいや。

ええから早う降りてみ。

うお!!!むっちゃ綺麗じゃないっすか!そこは展望台だった。

町を見晴らし、おじいちゃんは四国の土地を説明してくれた。あっちが阿讃山脈いうん。あれが吉野川。あの山越えると香川や。

丁寧に説明してくれ、感動する僕。ちょっとばかし本当に殺されるかと思ってしまいましたよ。あれは冗談や(笑)一同、笑う。

まさか、お大師さんにここで出逢うとは…

車に戻り、再び猛スピードで山を登っていく。次第に落ちている木の枝の数も増え、舗装されている道でもなくなった。

周りを見ると森。トトロの森のような景色。そして、家に着くと素晴らしく広い部屋が用意されている。

ここはな、下界でうまく暮らせんような子供や大人がここで生活して心が健康になるために買った場所なんよ。

ううう。統合失調症と診断された僕は、まさに神様が巡り会わせてくれたような人に出逢った気がした。

おじいちゃんはここで、壊れてしまった色々な物を直したり、ある人にとってはゴミになってしまうようなものを手間暇かけて使えるようにして世間に戻してあげたりしているらしい。

マイナスをプラスにするんが好きなんやな。

周りを見ると沢山の小屋があった。そこはここに集まった沢山の人が一人一人プライベートな時間を過ごせるように建てた小さな家なのだそうだ。

過去にここに来て元気になって下界に帰って行った人は言う。

こんな所にお大師(空海)さまがいたんですね。

先生と語る

暖かいお布団を用意していただき、手厚いお接待を受け、内心感動し続けている僕におじいちゃんは自分がどんな人なのか、色々と語ってくださいました。

学生運動に参加していたり、億万長者になったり、獣医になったり。様々な経験がある様子。

本当にこの方の話はスーッと心に入っていく。わかりやすいし、胸に染みる。なんだか目頭が熱くなる。

僕はその話を聞くうちに、なぜ自分がお遍路を回っているかを打ち明けました。

そーか。あんたは全然そういう風に見えなんだが、やっぱりお天道様が巡り合わせてくださったんだな。

どんな事にも意味がある。

僕と先生は気がつけば夜中の1時半まで語っていました。

お遍路2日目のまとめ

お遍路とは杖をつき笠をかぶり、弘法大師さまと一緒に88ヶ所のお寺を回る旅なのだと思っていましたが、もしかしたら違うのかもしれない。

出逢う人、全てが弘法大師さま。ここでは埼玉で暮らしていては出逢えないような人に出逢う。

優しい人はもちろん埼玉にもいるけれど、なんだか違う。住む土地住む土地それぞれによって、その土地柄が人に出る。

僕はその発見に感動しながら、暖かい布団で眠るのでした。

P.S.山の中の家は電波が通らないため、音信不通です。もしかしたら、遍路ころがしでくたばったのか?と心配になった方もいらっしゃる方もいるかもしれませんが、僕は元気です。

ではでは歩き遍路四国の旅2日目でした。

今日歩いた道はこちら

にゃんこ先生
明日は雨の予報だにゃ〜

スポンサードリンク

この記事が参考になったら広めて頂けると助かります。

コメントを残す