『若きウェルテルの悩み』を読む。読みづらく薄い本だが内容はアツい

若きウェルテルの悩み

若きウェルテルの悩み


著者:ゲーテ
翻訳者:竹山道雄
出版社:岩波書店(岩波文庫)
出版年月日:1978/12/1
ページ数:275ページ
ISBN-10:4003240510
『若きウェルテルの悩み』レビュー
5.5 管理人の総合評価
読みやすさ
為になる
何度も読みたい
面白さ

湊かなえの告白の中で「若きウェルテルの悩み」が出てきたので、それの影響で読んでみた。

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翻訳者によってかなり読みやすさが変わる

最初は新潮文庫から出ている、高橋義孝訳の方のウェルテルを読んでみたのだが、これが全くなんと書いてあるかわからない日本語だった。あくまで僕にとっては。

前にも、新潮文庫のドストエフスキーを読んだら全く内容が頭に入ってこなく、岩波に変えたら読みやすくなったと言う経験があったので、すぐさま新潮文庫版ウェルテルには見切りをつけて岩波文庫に移った。

するとどうだろう。すらすらと内容が入ってきた。

それはもちろん、僕の頭がわからないなりに新潮文庫版ウェルテルをなぞっていたからかもしれないが、それにしても読みやすかった。

…ただ、それは日本語訳の上での話。

正直に言ってしまえば、この本は書簡形式の小説だからかもしれないが、読者には優しくない文章の書き方である。話があっちこっち飛び回り、理解しづらい。人間の感情なんてそんなものなのかもしれないが、話の趣旨をつかむのに時間がかかる作品だろう。

なので最初の方は少々の我慢が必要である。大体200ページ足らずの作品だし、その最初の30ページほどを我慢して読み続けることが出来れば、この本は非常にテンポよくページをめくれるようになるだろう。

要は、一人の男性が許されない恋をし、その心情の変遷を書きつづった小説なのである。

一度でも恋をした男性ならば、この作品のどこかに共鳴できる部分があるだろう。

ラストの方の、発狂振りは圧巻である。狂った人間の心情が表現されているのだが、その気持ちがまたよくわかってしまうのである。

この小説が世に出回った時に、作品に影響を受けて自殺者が増加したという経歴を持つ作品なだけある。

遠くの事を語っているようで、実はすごく近くの事を語っている。

僕がこの作品で影響を受けた部分を引用してみる。

すべての人の営みは、しょせんはさまざまの欲求を満たすためのものだ。

17ページ

災いにせよ恐れにせよ、それが燕楽のさなかに不意に襲ってくるときには、おのずから平素よりも強烈な印象をあたえるものである。それは、ひとつには両者の対照がつよく感ぜられるからでもあり、ひとつには、そしてよりはなはだしくは、われわれの感覚が開放されて敏感になっていて、一そう早く印象を受けいれるからでもある。

35ページ

日も月も星も依然としてその運行をつづけながら、私にとっては昼もなく夜もなくなり、全世界は身のまわりから姿を没した。

38ページ

おまえが友にむかってなしうるのは、ただ友のよろこびをよろこび、自分もそれに与ることによってその幸を増す、ということだ。

46ページ

かつて私がたまたま居あわせたある情景の思い出が、すさまじい力をもって私を襲った。私は手巾をとって目にあてて、この座を出た。

47ページ

著者は作品の改訂第二版を出すと、たとえそれが芸術的にはずっとよくなっていても、かならず自分の本を傷つけることになる。第一印象は入りやすい。人聞はどんな荒唐無稽な話でも、聞いているうちに自然とこれがあたりまえと思うようにできている。そして、それがすでにしっかりと根を下ろしてしまう。だから、これを削ったり抹殺したりすると、とんでもない目にあう。

70ページ

なんでも優良な血統の馬があって、駆りたてられて激して苦しくなると、本能的に自分の血管を咬みやぶって、呼吸を楽にする、という話をきいたことがある。ときどき私も自分の血管を開きたい。そして永遠の自由をかちえたい。

101ページ

公爵は私の知性と才能とを、私の心情よりも高く評価している。しかし、この心情こそは私が誇る唯一のものであり、カも、浄福も、悲惨も、すべてはこの泉から湧く。ああ、私が知っていたんぴとることは何人も知ることができる。―――ただ、私の心は私だけのものだ。

105ページ

ときどき不可解な気がする。私がこれほどにもただあのひとだけを、これほどにも熱く、これほどにも胸いっぱいに愛して、あのひとのほかには何も知らず、何も解せず、何も持ってはいないのに、どうしてほかの男があのひとを愛することができるのだろう?愛することがゆるされるのだろう?

109ページ

捉えようと手をさしのべるのは、人間のもっとも自然な衝動だ。子供はほしいものがあれば、なんにでも手をだす。―――それだのに私は?

121ページ

以上、「若きウェルテルの悩み」 ゲーテ著 竹山道雄訳 岩波文庫より引用。

まとめ

…どうでしょう。いくつか心を打たれる表現があったのではないでしょうか?

僕の中では、必読書とは言わないまでも、読んでみても面白い本だと思いました。恋に悩み患ったらこの本に手を伸ばしてみてもイイかもしれません。

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