四国で歩き遍路25日目。大丈夫と油断をした時に崖から落とされる…

『歩き遍路25日目』です。体調もだんだん良くなっていき、この旅に出てよかったなぁと思ってきた今日この頃。そういう時に落とし穴はやってくる。

もう大丈夫だろうと思った分だけ下に落ちる。それの繰り返しの8年。なんとかせねば。なんとかせねばともがいてみたけれど自分じゃどうにもならない問題。

そういう時に人がいるのだと実感した事件が…。

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歩き遍路25日目、桃ジャム完成。

朝起きると、まだ先生は起きていなかった。お湯を沸かし、いつでもお茶が飲める状態でスタンバイ。

桃ジャムを見ると見事に蓋がペコンと凹んでいた。台風のきた頃から始めて、じっくりコトコト時間をかけて煮込んだジャム。

スーパーなどで売っている物と色は違うが、余計なものが一切入っていないジャムだ。すごい。食べ物の製造過程を横で全部見ることが出来てしまった。

こうやって商品が産まれていくのだな。これもいい経験になった。全部手作業。手間暇かける。そうすると工場がなくても作れてしまうのだ。

今朝はあねさんがいないので僕が朝ごはんを準備する

金曜の朝はあねさんがいない。先生が起きてきて、朝ごはんにしよかという。

周りを見るとパンなどはなくお米を炊くことになった。粕汁などが残っていたのでそれを温めて添えるだけ。片手は添えるだけ。

ご飯にかけるこれ。鰹節と唐辛子で先生が作ったという佃煮。

これが本当に美味しい。

ご飯2杯食べてしまった。昨日体重計が+7.5を計測していたばかりだというのに…。

まぁ、体重は減らせるけど、ここのご飯は今しか食べられない。だから食うのだ。

今日の仕事開始。米洗っている時に気がついたけど…

今日の仕事はまず、桃ジャム作りに使ったでーーーーーっかい鍋を洗う事から。

お米を洗ってる時も思ったけど…。

手がつめてーーーーー!!!!凍るぐらいつめてー!痛さを感じる冷たさだ。

しかしね、僕は皿洗いが大好きなのだ。趣味は皿洗いなのだ。皿洗いゲーム1回100円という出店があったらきっと僕はお財布を広げて100円取り出すと思う。

だから冷たさなんて屁でもないのさ。そうなのさ。

ほれ。デカい鍋いっちょあがりー!

そー言えば今日は鳴門金時を取りに行く日だ

鍋を洗い終わると、先生が見当たらなかった。僕は何か出来ないものかとうろちょろし、今日が鳴門金時を受け取りに行く日だという事を思い出した。

これでいつでも出発出来る。準備万端。先生はどちらに…。

次の仕事は鳴門金時で作った干し芋をバットに取り込む。

先生は二階にいた。手伝えることはありますか?と聞くと、乾燥機にかけた芋を取り込んでくれと指示をくれた。

鳴門金時の干し芋をバットに入れる。

それを部屋の中に入れ、熱を冷ませるように十字に重ねておしまい。

次の仕事はなにかしら?

時にはお寺の修行のように

先生に指示を仰ぎに行くと、玄関に落ちた落ち葉を掃くようにと言った。

僕は竹箒片手に玄関に向かう。

うおー。すごい。落ち葉だらけ。シャコシャコ掃く。お寺の修行みたいですねー、と先生。

どやー!ビフォーアフターはっきりわかるじゃろー!

これが掃き終わった落ち葉の山。ふう。いい仕事をした。

熱冷めた鳴門金時の干し芋を量って商品化。

掃き掃除を終えると、先生は干し芋の袋詰めをしていた。僕は近くに座り、干し芋を量る仕事をする。

量り終えたので、バットを洗う。

プレスで口を止めて完成!

先生と一緒に山を降りる。鴨蔵ラーメン!

天気は良い。とりあえず、今日の用事は鳴門金時を取りに行く事!

吉野川沿いをひたすら走る!車が他にいなくて爽快だー!

途中、お昼の時間になったので「鴨蔵」というラーメン屋に寄る。

メニューは全て良心的な値段。都内のラーメン屋は高いよな?と感じてしまう値段だ。

どやー。黒ラーメン大盛り。650円!

チャーシューでかー!肉やわらかー!

麺は普通な感じだけど、スープがとにかく美味い!徳島で食べるラーメンはスープが何故こんなに美味いのだろう。

お腹いっぱい、またもや走ったその先に…

ラーメンを食べ終えると、再び目的地へ走る。

先生は車に乗りながら、自分にとって時間を忘れて打ち込めるものの1番はなにか?と聞いてきた。

うーん。なんだろう。沢山あり過ぎる。本読むのも好きだし、音楽聴くのも好きだし、文章書くのも好きだし、パソコン触っているのも、ジーパン眺めるのも、靴を眺めるのも、アニメも、映画も…とにかくなんでものめり込みやすい性格だ。結果、時間が足らなーいって事になるんだが。

自分ってなんだろなー、なにもんなんだろうなーって考える事がよくあるんよ。と、先生。

最近、この歳になって、自分を探す事は彫刻のようなものだと考えるようになったそうだ。ひとつの大きな岩があって、それを削っていく。

すると、徐々に自分ってこんな姿してたんだなぁーってわかってくる。時には自分の姿に関係ないところを削って空振りに終わる事があるけど、それでもいろんな事やって削り続けると自分というものが明確になってくる。

そんな先生の話を聞いて、僕は今までの自分探しの方法を振り返ってみた。

僕は頭の中に自分を思い浮かべて、こんな感じかなと、粘土のように作り上げていく。そして出来上がった自分像を見て、こんなの僕ではないと、壊す。そしてまたまっさらな状態から自分を作り上げるのだ。

結果的に現在も何も出来上がっておらず、後に残ったのは潰した粘土だけである。

うーん。彫刻かー。僕も確かに色々とやって来たけど、先生の経験には負ける。

自分が何者か。自分が打ち込めるものは何か。ちょっとばかり、彫刻家の気分で自分を掘り上げてみよう。

鳴門金時の芋を受け取る

1軒目。

2軒目。

ん?

こわー!なんだー!?なんかこっち見てたぞ!

…なんて事を車に乗りながら見ていると、先生がアイス買ってくれた。ビスケットのアイスは昔、ホームステイでアメリカに行った時に、そこのママさんが買ってくれた味を思い出す。

美味しいよね、ビスケットアイス。

とある企業の工場に社会科見学

鳴門金時の引き取り周りを終えると、先生は知り合いが作った会社の工場に車を走らせた。

そこにいたのは、貫禄のあるおじちゃん(専務)。先生より若そうだが、咳き込む姿が度々見える。

僕は挨拶をし、先生との出会いを軽く説明した。そして、今は先生の元で手伝いをしている事を告げる。

お前、変わってるんやなー。と専務。そして、こいつも相当変わっとるでー。と、先生を指差して笑う。

僕は専務から色々と会社の運営について話を聞いた。そしてその最後に専務はウチの会社で何かやってくれんか?と言ってきた。

えええーー!?

僕はただの個人事業主。インターネットにちょっと強いだけの男。そんなやつがデカい会社の何かに関わっていいのだろうか?

僕は頭でこわごわ考えながらも、口でペラペラとインターネットを使った仕事について語った。

野口くん、とにかくなんか考えておいてくれ。

そう専務は去り際に言った。

うーむ。どうしよう。僕の方法はあくまでも引きこもりが1人で食べていくのに困らない程度のお金を稼げるようにと考えたもの。それが会社に通用するんだろうか。

工場見学をさせてもらいながら、僕の頭はグルグルと運営方法について回っていた。うーむ。どうしたもんじゃろのう。

うぬぼれに気がつき号泣する

専務の会社をあとにし、先生のご実家に行く。そこにはすでにあねさんが到着しており、ご飯をみんなで食べた。

春巻きウマー。

ご飯を食べた後、お孫さんと遊んでいると、1番下のお孫さんが背中に馬乗りしてきた。

ゲームしよーや。これで僕を落としたら野口さんの勝ち。落とされなかったら僕の勝ちな。

よっしゃ。ゲームという名のつくもの、僕は負けたくないのです。

僕はブルブルと震え、必死に落ちまいと楽しそうに喜ぶお孫さん。僕は急にガクンと小さくなる。対応出来なかったお孫さんは僕の首の上から前にクルリンと落ちた。

僕はそれを両手で受け止める。負けてしもうたー。と喜ぶお孫さん。もう一度!と背中に登る。

僕は喜んでくれた事が嬉しく、また四つん這いになる。

ブルブルと震え後、同じように急にガクンと姿勢を低くした。

その時、お孫さんは僕の背中から横にコロリと落ちる。僕は体を翻し、お孫さんをキャッチしたが遅かった。

お孫さんは肘を強く打ち、泣き出した。

…やってしまった。

泣き声を聞きつけた先生がどうしたん?と顔を出し泣いているお孫さんをあやす。

どうやら骨は折れていないようだ。ひとまず安心したが、僕は心臓が潰されたように鼓動が速くなっているのを感じた。

そのまま泣き続けるお孫さん。僕はその声を聞きながら別の声を聞く。

ほらまただ。またお前が関わると周りが傷つく。またやった。またやった。

家から飛び出し、逃げ出したくなったがなんとかとどまる。

僕は先生の軽トラックに乗り込み大泣きした。またやってしまった。慢心だ。油断した。最近、僕を褒めてくれる人が多いから、自分でも役に立つ事があるんだとか思ってしまっていた。専務に語った言葉もそうだ。僕がなにを偉そうに話しているんだ。

僕は人を傷つける。だから人と関わってはいけないんだ。

頭の中の声がうるさくなる。しゃべりも「どもり」が出てきた。元に戻ってしまう。嫌われる。駄目だ。駄目だ。

先生は横で車を運転しながら、優しく、考えすぎなくていい。考えすぎなくていいと言ってくれた。

なんとかせねば。ドンドン嫌われてしまう。人に迷惑をかけてしまう。僕は深呼吸し、大丈夫だ大丈夫だと自分に言い聞かせる。

僕はバカだ。

頭をグルグル駆け巡るもの。

山の上の小屋に着き、先生と話をする。そして、先生は別にそこまで深く考え込まなくていい。専務の事も、判断するのはあっちじゃけん、別の視点からのアドバイスをしてあげている程度に考えたらええんよ。とおっしゃってくれた。

僕は考える。考えて考えて自分が情けなくなる。自分とは何者だろうか。自分は失敗作か。自分は。自分は。

いつも自分の事ばかり。人が考えている事を理解したつもりで勝手に判断する。

決めるのは人だ。相手だ。僕ではない。

傷ついたりしたなら、きっと相手の方がそう言ってくるだろう。迷惑ならば、きっと迷惑だと言ってくるだろう。

もちろん口に出して言えない人もいるかもしれないが、そうではない人まで、こちらで判断して勝手に決めつけて、行動するのは良くない。

とりあえず、嫌われるまでは人のために何かやってみよう。傷つけたなら謝ろう。

僕は布団の中でそう考え、今日、専務にもらった資料をもとにペンを執った。

歩き遍路25日目のまとめ

頭が回る回る。ペンが止まらない。僕が関わる全ての人が幸せになる方法というメモを殴り書きし終えた頃には時間は朝4時半を回っていた。

そのまま布団に倒れこんで寝てしまおうと思ったが、折角だしと外に出て空を見上げると、そこには満天の星。

あー。今日も1日が終わった。

歩き遍路回25日目』でした。

にゃんこ先生
ひとことにゃ

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