四国歩き遍路日記06日目:自立支援祭りで天ぷら作って、おならで笑う

四国歩き遍路日記06日目。この旅の記録は以前旅をしながら公開していた日記を諸事情によりお蔵入りしまったものを再編集して公開したものです。

この日はイベント参加日でしたので、写真多めで出していましたが、ほぼほぼオジャンです。残った写真は青い空とか流れる川みたいなイベントじゃなくてもいいじゃん!みたいなものばかりになりました。

その分なんとか文章で巻き返さねば。

ではでは、再編集版よろしくどうぞ。

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四国歩き遍路日記06日目のまえがき

四国歩き遍路日記06日目-01

四国歩き遍路日記06日目。今日はお泊り接待をしてくださっている人に連れられて、自立支援施設が行う、お祭りに参加する日。率直な事を言えば、そのイベントに参加することに対して、だいぶネガティブな気持ちになっていました。

それはなぜか。

自立支援施設のお祭り。その言葉に嫌なことばかり思い出されるからです。主に理由は3つ。

まずひとつ。

僕は昔、お店の経営をしていた事がありました。人前に立って商売をしていたのです。しかし色々とトラブルに巻き込まれ、利き手の握力を失いました。あぁ。いやだ。人前に出るとろくなことにならない。もう二度と人前に立って商売したりする事なんてするもんか!と誓っていたのです。

しかし本日、なんとはなしにお祭りで露天商として人前に立って商売している自分がいる。

ふたつ。

つい最近まで自立支援の施設にお世話になっていました。簡単な作業をして社会復帰を目指そうというプログラムで、病院の先生に勧められて参加していたのです。

しかし。その自立支援の施設には、障害者を馬鹿にした発言をしたり、障害者には権利などないと思っているスタッフさんがいました。それがどうしても耐えられず辞めてしまったのですが、数ヶ月後に人数確保のために、書類だけでも書いて働いている事にしろと強要してきた経営者もいました。

あぁ。いやだ。自立支援施設には補助金目的の偽善者しかいないのだと思っていたのです。しかし本日、このまつりの経営者の話を聞いて鼻がツーンとしている自分がいる。

みっつ。

お祭りと言えば子供が沢山いる。そしてここは自立支援の施設。障害を持った子供がいる。障害を持った児童。それはどうしても過去の自分の子供のことを思い出してしまう。

子供を見るのは今でも辛い。あの日、僕の膝に乗り、にっこり笑った障害持ちの子供の笑顔が頭から離れない。

あぁ。過去は塗り替えていかねばならぬ。たった一度の失敗、たった一度のマイナスに触れただけで、それが世界のすべてだと思ってはならぬ。

そんな風に思いながら、いざお祭りに参加することになったのですが…。

※復刻にあたり、旅先で沢山写真を撮ったものをまとめてアップすることにしました。が…このブログでは重くて閲覧できないレベルのサイズです。なので写真をメインに見たいあなたはFacebookの方へアルバムを作りましたのでそちらを御覧くださいませ。

四国歩き遍路日記06日目の写真アルバムはこちら

歩き遍路、再開したらピーナッツ持ってったらええな

四国歩き遍路日記06日目-02

今日は朝早く出発するので、早起きしました。食卓には大量のピーナッツがありました。

「そうや、遍路再開したらこのピーナッツ持ってったらええな」とあねさん。

どうやら人から沢山ピーナッツを戴いたようです。僕はフライパンでピーナッツを炒って食べてみました。

うまーっ!!

これがあれば、道中食べ物なくなっても生きていけるやないか!!ピーナッツなどのナッツ類って高カロリーだし、場所取らないし、携帯食として最強。

「これはぜひ取っておいてください」

そうお願いすると、あねさんはビニールの袋に大量のピーナッツを入れ、冷凍庫に保存してくださいました。

「ちゃ~らっちゃら〜。勇者野口は天空のピーナッツを手に入れた。装備していくかい?」

そんな天の声が聞こえていました。歩き遍路再会の日はいつになるやら…。

さてこんな茶番を披露してみても、ピーナッツは朝ごはんにはなりません。ちゃんと今日一日動けるように朝ごはんをいただきました。あぁ。ここのご飯は本当に美味しい。何度も言うよ、SEY YES!!

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車でビューンと山を降りる

四国歩き遍路日記06日目-03

ごはんを食べた僕らは、トラックに大量の荷物を詰め込み山をおります。荷物はイモやら鍋やらお皿やら。調理する道具が大量にあります。本当にここの小屋には何でもあるんだな。僕はなんとなく文化祭を思い出しました。

高校の文化祭。アニメとかで観るような華やかなものでは全くなく、文化祭って一体何やったっけな?なんか団子売ってたような気がするな…ぐらいなもの。今回の方がお祭り気分は上々です。

しかし、ご覧の通り天候はなんとなく、どんより気味。ずっと雨降っていたからな、大丈夫だろうか。

車に揺られて目的地に向かう。…痔の方はなんとか対処法がわかってきたかも。

四国歩き遍路日記06日目-04

さて、山を降りて吉野川をビューンとしばらく走ると目的地に付きました。だいぶ広い土地にあった自立支援の施設。会場はすでにお祭りの準備を始めている(そう。この写真を撮っている僕の背中では祭りの準備だワッショイ)。

先生たちは準備をしながら、知り合いと話をしたりしていました。僕はと言えば、なんとなく居心地の悪い感じでちょこっとそこらへんをぶらぶらと散歩をして時間を過ごします。人見知りなんだ、僕は。

しばらくすると先生の奥さんとお孫さんたちが到着しました。

「お腹へったでしょう?パン買ってきた。好きなの食べ!」

と、奥さんがたくさん入ったパン屋さんの買い物袋を持ってきてくださったので、僕は朝ごはんを食べたことは言わず、2つほどパンをいただくことにした。

四国歩き遍路日記06日目-05

うむ…。なかなかボリューミーである。

お腹パンパンマンになった僕。勇気百倍パンパンマン!(Google日本語入力ではパンパンマンと打つとアンパンマンに変換される笑)

やはり働かざる者食うべからずという事で、仕事を手伝うことにした。まず最初は芋けんぴ用の芋のカッティングである。油であげる前に食べやすいサイズにチョキチョキする。

ケンタッキーフライドチキンのポテトぐらいのサイズだ。チョキチョキ。

しばらくはその作業をして時間を過ごしていた。その後一段落すると、先生が何か見てきていいよとおっしゃったのでお祭りを見て回ったのだが、その頃にはすっかり空は晴れていた。

四国歩き遍路日記06日目-06

あのどんよりしていた空はどこへやら。今度は逆に日差しが強すぎて暑いぐらいだ。僕はお祭りで売っていたうどんと焼きそばをお昼に食べ、また持ち場に戻りチョキチョキした。

考えてみれば、何かにつけて食べている気がする。ピーナッツ、朝ごはん、パン、うどん、焼きそば。食いすぎじゃなかろうか。そんな考えもチョキチョキ。いらん考えはチョキチョキ。

僕がカットしたイモをあねさんが油であげ、それを紙コップに詰めたものを手伝いに来てくれた方やお孫さんたちが販売する。

先生のお孫さんは手先が器用なようで、自分で手作りしたアクセサリーやキーホルダーなども販売したりするらしい。すげー。先生も手作りで何でも作ってしまうし、そういう能力は遺伝するらしい。最強装備、ハンドメイド。

人が沢山集まった結果…

四国歩き遍路日記06日目-07

賑わう人たち。人が沢山集まる。その結果。僕もイモを揚げる手伝いに回る。イモフライや芋天を作った。ふふ。お遍路に来て揚げ物をするなんて思ってもいなかったよ。

しばらくはフライドマッシーンと化し、僕はひたすらイモを油の中にくぐらせていった。どのぐらい経っただろうか。ついに持ってきていたイモの在庫がなくなり、油の調理場はオシマイになった。

そして。

「どうせなら、イケメンが売ったほうがいいでしょう?」

そんな感じで手伝いに来ていた人が言った。僕はギョッとして辺りを見回すがイケメンは見つからない。どうやら僕のようだ。

そう。僕の顔は福山雅治と森山未來を足して2で割ったような人間…そんなイケメンを羨ましいなぁと横で眺め、「人間、大切なのは心だよ」と口をとがらせて強がりを言うようなトンガリのような顔だ。

ま、イケメンと呼ばれて悪い気はしないけどね。僕は言われるがまま、販売店員になり、声を出して自分のあげたイモ達やその他の商品を売った。

…決してイケメンという言葉に釣られたわけじゃないんだからね!

最初のまえがきにも書いたけれど、人前に立って商売することに対してネガティブな感情は持っていたけれど、必要に駆られれば、やっぱり体が勝手に動いてしまうものだ。

という事で、お店に立った。そして時間はアッと言う間に過ぎ去り、祭りは終わった。

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障害を持つ人とその周りの事

四国歩き遍路日記06日目-08

祭り中に考えた話をしよう。

今日触れ合った人は、みな障害を持っていたり、身近な誰かが障害を持っている人たちだ。ここの施設長の人も、自分の子供が障害を持っていた事から、こういう仕事に切り替えたのだそうだ。

しかし、まぁ、人間歳をとっていく。いつかは自分もいなくなるわけで、自分がいなくなったらこの子はどうやって生きていくのだろうと心配になるようで。

そして、そんな時に一人の個人ではなく、グループで支えられたらという事で、こういう施設があるわけなんだけれど、子供の件とは別に、自分がいなくなった時に、その施設長を任せたいと思える人は、職場にはいないという話を聞いて僕は寂しさを感じた。

どこもそうなのだ。

たとえば高齢化社会だなんだと言われて、僕の家の周りには老人ホームが大量に作られた。潰れた本屋さんやコンビニの跡地にはたいてい老人ホームが建つ。

これだけ大量に建物が建つということは、もちろん、高齢者が増えたという事なのだけれど、それと同時に、それだけそこには仕事があるわけで、需要と供給の問題から介護師とか老人ホームのヘルパーさんとかになる人が増えている。

それはもちろんなりたくてなった人もいるのだろうけど、食いっぱぐれない為に仕事を選ぶ人もいるわけで、そういう人と話をしていると、どうしても無神経な所がある。

正に僕が行っていた自立支援の施設の職員はそんなような人であった。

僕自身は父が障害を持っているので、ある程度身近な所に障害を持つ人との生活はあった。まぁ、自分も精神的な疾患を持ってはいるが、そういうのとは別で身体的な障害を持つ人との生活は、普段、普通だと思っている事、思っていた事が、当たり前ではない事の連続だ。

自分では当たり前に出来る事、何気なくスルーしてしまって気にしていない事が、人によってはどうしようもなく困難な事だってある。僕はその度「うわー、全然理解していなかった…。そーか、そういう所もこれからは気をつけよう」と自分を戒めているのだが、この感情がもし相手に向いてしまったらどうだろう。

「なんでそんな簡単な事が出来ないのか」

そう思ってしまった時、おそらくそこには怒りやストレスのような負の感情が生まれてしまう。それが毎日毎日積み重なり、毎度毎度消化出来ずにいると、ニュースで放送されるような介護スタッフなどによる事件につながってしまったりするのだと思う。

お金をもらっているのだから、これは仕事だ。割り切ろう。そんな感じで働いている人もいると思う。…うーむ。でもさ、それで相手に対して負の感情を貯め込むぐらいなら、他の仕事についた方がいいと思うんだ。

…ま、何が言いたいのかと言えば、お金をもらわずとも、そこで働きたいと思っている人がスタッフさんだったらいいのになぁってことだ。…うん。難しい事だと思うんだけどね。

もちろん仕事にはプライドを持って取り組んでいる人もいるでしょう。

でもやっぱりなんというかさ、仕事として成立しちゃっているんだけどさ、出来ないことは出来る人がやればいい。そこに申し訳なさとか個人的プライドとか関係なく自然とお互いが助け合える世界で生活出来たらいいのになぁって思う。

それはもう空気を吸うように自然なことのように。

障害を持つ人も一人の人間。プライドだってあるし、自尊心もある。そしてどうしても自分は劣っている、周りに迷惑をかけてしまっているという感覚はどこかしらに持っていると思う。

やってあげている。そんな意識があるから、やってもらっている。という意識がある。

その、“劣っている”だとか“周りに迷惑をかけてしまっている”という事を一切感じなくても済むような世界になったらいいのになぁ。

感謝は大切だ。でもそれはこんな事やってくれて、ありがとうねぇ…、こんな事までやらせてしまって申し訳ないねぇ…という感じではなく、助かるよありがとう。がいい。申し訳ないと思わせないように自然に人を助けられる人間に僕はなりたい。…が、やはりまだまだだな。父が申し訳ないって感じだもんな。僕がそう思わせちゃっているんだな。

しかし、しかし、しかーし。

障害を持つ人が助けてもらってばかりだと思うなよ、障害を持つ人が誰かを助ける事だってあるのだぞ!それはつまりお互い様って事で、劣ってもないし、迷惑なんて障害の有無関係なくみんなかけるでしょーがー。

と、田中邦衛扮する黒板五郎がラーメン屋でキレたような口調で頭の中で再生されていた。

考えた事の話おわり。

ま、冗談はさておき、こんな事言っていたら現在のスタッフの人とか生活できなくなるだろうし、圧倒的に人手が足りなくなるんだろうけどね。いつか、いつの日かの未来、そういうスタッフさんとかは別の収入で生活には困らない状態になって、自分の意志に動かされて人の力になりたい!ってなったらいいよなぁ〜。

この世から、給料制がなくなったら、人は働かなくなるのだろうか…。マルクスさん、言ってもんなぁ。資本主義ってやはり人間のやる気の上では必要なんだよなぁ。難しい。

先生の家系はクジ運が強い!!

四国歩き遍路日記06日目-09

さてさて、話は祭り後に戻りまして、片付けをし、先生のお孫さん達と小屋へ戻ります。その日の夕飯はなんと、まつりの最大イベント、クジで当てたという良い所のお肉!すき焼きだー☆

先生自身はあまりクジ運がないみたいだけど、先生の周りにいる人はとにかくクジ運が強い。

上位すべて先生の家族が当てたと言う時もあったそうな。

お孫さん達はボクが当てた!私が当てた!とケンカしていて、先生はカミナリを落としていたけれど、こういう日常のやりとりが家族ということなのだろう。

お肉美味しかった〜。食べ過ぎた〜。

先生のお孫さんに好かれる

四国歩き遍路日記06日目-10

先程も書いたけれど、正直なところ、僕は子どもを見るのがつらい。死んでしまった子どもが本当だったらこのぐらいだったのかなとかいう考えが頭を占領するのだ。

肉を誰が当てたと喧嘩していた姿を見たときなんて、もうたまらなかった。

本当だったら。本当だったら。本当だったら。

ま、本当とか嘘とかそんな世界ないんだけどさ。死んだのが本当で、もしもの世界なんてないんだけどさ。他人が羨ましくなって、嫉ましくなっちゃう。

でも子どもと言うのは不思議なもので、そんな僕の心を和らげてくれる。先生のお孫さんに好かれたようで手をつないで自然の中を探検したりした。

子どもはいいね。オナラするだけで笑ってくれる(笑)オナラしろー!とお尻をキックされた時は参った。痔だからね。

それにしても、今の子どもは知識がすごく豊富で、僕にたくさんの事を教えてくれる。もしかしたら今の子どもというよりも自然に囲まれて育った子どもだけかもしれないけども。虫とか草とか学者のように解説してくれるのだ。

ああ。子どもってかわいいなぁ…。

一番下のお孫さんは今日は楽しかったわ〜。今日は楽しかったわ〜。と何度も口に出して頷いていた。結構人見知りをするタイプだったようだけど、帰り道の車の中で、スーパーマリオの話をした時らへんから心を開いてくれた。ありがとう任天堂。

ポケモンとか、妖怪ウォッチとかスーパーマリオとか、とりあえず知っていて良かったよ。鉄板ネタだね。

そして、僕が母屋で寝る時も、一緒に寝る。と言っていた。周りがダメだよと諭すと、シュンとした感じでお休みなさいと襖を閉じた。

四国歩き遍路日記06日目まとめ

四国歩き遍路日記06日目-11

最近、先生とは会うべくして会ったのだなと感じる事がすごく多い。

話をしていると共通点などが多いのだ。もしかしたら先も見えずウジウジしている僕に、神様が先に生きるもののお手本として、先生と合わせてくれたのかもしれない。

ま、そんな事言ったら宗教くさくて嫌なんだけどさ。

すべてに意味がある。そう話す先生の言葉の意味がわかりかけてきた僕なのでした。

という事で、四国歩き遍路日記06日目。自立支援祭りで天ぷら作って、おならで笑って、美味しいお肉を食べたよー!という話でした。

あ。最初の方でも言いましたが、このブログでは重さ対策として一部の写真しか紹介出来ません。結局今日はあまり写真撮りませんでしたが、ここで紹介しきれなかった写真はFacebookにアップしておくので、よかったら御覧くださいませ。

四国歩き遍路日記06日目の写真アルバムはこちら

にゃんこ先生
にゃんこ先生
子どもの発言にドキっとさせられる事しばしばにゃ〜
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四国歩き遍路日記06日目-09
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